武満徹(日本)やタンドゥン(中国)と並び、20世紀のアジアを代表する作曲家であるフィリピンのホセ・マセダ(1917-2004)による半世紀前のフィールド・レコーディング集。 現代音楽の作曲家であるホセは、東南アジアの音楽文化を体系化した一人として民族音楽学の研究者としても多大な業績を残した人物である。本作品はマセダが初めてフィールドワークを行った1953年からの約20年間を振り返り、フィリピンの少数民族による音楽文化を包括する音源集となっている。地理学的な国境線だけでは語ることのできないフィリピンの音楽文化を、ホセの触る録音機からきこえてくる音・音楽・ノイズを我々の耳へ近づけてくれる作品となっている。

生活しているすぐ脇に音楽が。ちょっと顔をあげ声をだすとうたになり、手を伸ばすと楽器にふれ音がでる。いまから50年60年前、ホセ・マセダが録音した音源は、まわりのさまざまな音や録音機材のノイズとともに、半世紀以上前のフィリピンの人たちのそばにあった音・音楽を、空気を、温度を伝えてくれる。ホセの録音機を操作する手と耳かたむける姿、そしてその笑顔とともに。
小沼純一氏(音楽評論家・早稲田大学教授)のコメント

CD1 (1953-1961) total 20tracks
CD2 (1964-1972) total 29tracks

Recorded by Jose Maceda
Compiled by Yasuhiro Morinaga
In collaboration with University of Philippines Center for Ethnomusicology

Production Coordinators: Dayang Yraola, Roan Opiso and the UP Center for Ethnomusicology

Fixed Sound: Yasuhiro Morinaga

Mastered: GOK Sound Tokyo

Design: Neopa.Inc

Translation: Gaspard Kuentz

Production by CONCRETE

Co-Production: University of Philippines Center for Ethnomusicology / Neopa.Inc



Thanks to Dayang Yraola, Mayumi Hirano, Joselina Cruz, Merv Espina, Tengal, Kana Ote, Dr.Ramon Santos, Junichi Konuma, Hisashi Itoh, Kou Sakai, Satoshi Takata