Installation

The Voice of Inconstant Savage
Commissioned for the Engawa – Japanese Contemporary Art Season programme organized by Calouste Gulbenkian Museum's Modern Art Center, The Voice of Inconstant Savage is an immersive installation that superimposes a prayer inspired by the story of a 16th-century Portuguese missionary, a chant from a Kakure-Kirishitan (hidden Christians) prayer – a religion rooted in Nagasaki Prefecture –, a chant from the Karawara spirits of the Awá indigenous people – who live in the Amazon rainforest – and a chorus of Western Gregorian chant. Morinaga questions the position of the aesthetics of inconstancy in relation to the discourse of the “savage” that modern society confronts.

Field recordings

Sombat Simla: Master Of Bamboo Mouth Organ
Simla is known in Thailand as one of the greatest living players of the khene, the ancient bamboo mouth organ particularly associated with Laos but found throughout East and Southeast Asia. His virtuosic and endlessly inventive renditions of traditional and popular songs have earned him the title ‘the god of khene’, and he is known for his innovative techniques and ability to mimic other instruments and non-musical sound, including, as a writer for the Bangkok Post describes, ‘the sound of a train journey, complete with traffic crossings and the call of barbecue chicken vendors’.

Concert

Anabiosis Passage
『Anabiosis Passage』は、インドネシアにおける音楽文化(伝統音楽・大衆音楽・現代音楽)をメディア・テクノロジーにより先駆的な音楽プロダクションとして創造するコンサートである。本作は、音楽監督の森永泰弘が参加する現代舞踊作品『To Belong』(振付家の北村明子による作品)から誕生したものであり、森永が携わったインドネシアでのフィールド・ワークを通じてレコーディングした音や現地で出会った音楽家をフィーチャーしたユニークな共同音楽制作の作品である。 インドネシアのガムランやクロンチョン、ヒップホップに加えて現地の環境音を扱いながらインドネシア固有の文化を現代の側から解釈している。インドネシアの楽器・奏法・説話をモチーフに、メディア技術を扱い現代の儀礼空間を音楽コンサートという形式で創造した作品が『Anabiosis Passage』である。 本作は、クロンチョン歌手のエンダ・ララス、インドネシアのヒップホップ界を先導するジョグジャ・ヒップホップ・ファンデーションのリーダーであるマルツキ・モハメド aka Kill the DJ (Jogja Hiphop Foundation)、そして2014年1月に死去した国民的パフォーマー、人形遣いのスラマット・グンドノの音声を扱いインドネシアの音楽文化を新たなステップへと迎え入れるコラボレーションが実現している。日本からは森永が音楽監督とエレクトロニクスの役割を担い、弦楽四重奏とピアノを招聘し伝統と現代を交錯し日本とインドネシアの二国間を挟む新たな音楽文化の発信を実現した作品である。    

Field recordings

Gong Culture of Southeast Asia「Co-Ho」
コホ族はモン・クメール語系に属しており、ベトナム中部高原地帯の南部に居住しています。本作はベトナムのラムドン省にある二つの集落で収録したゴング音楽になります。コホ族はアニミズムを信仰しており、生活におけるあらゆるものが神霊(Yang)と悪霊(Cha)に分けられるといい、音楽と儀礼が密接に関係している民族だといえます。今回、録音するために訪問したある家では、ゴングを演奏する際に神霊(先祖)に演奏の許しをもらうための儀式を行なっていました。この儀式では、酒壺の中に入った木屑を部屋のあちこちの壁にくっつけ、演奏者たちが神霊(先祖)に祈りを告げていくというものでした。この儀式の後に、2つのゴングを交互に演奏していく即興によるゴング音楽(トラック1)は素晴らしく貴重な録音だったといえます。また、彼らが演奏するゴングの数は2つ、3つ、4つ、5つ、6つと多岐にわたっており、インターロッキングによる奏法を使った見事な演奏でした。今回レコーディングさせていただいたコホ族のある民家では、頻繁に演奏者同士が集まって練習すると言っていましたが、もう一つのゴングの演奏グループは、新メンバーが加わり、練習時間もろくになかったために満足いく演奏ができたのは数曲だけだったと残念がっていました。その数曲がトラック6と7になります。